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2011年11月5日土曜日

TPPにまつわるエトセトラ

私がよく(インターネット上で)知っている仲の悪い二人の大学教授がいる。犬猿の仲で、見た目も犬と猿のようである。この二人は以前から主張することが食い違って、特に犬のほうが猿に噛み付くことがよくある。今は日本がTPPに参加するかどうかで二人の意見はわかれている。

TPPに関してはこの二人だけでなく、私がブログを読んだりtwitterでフォローしている人の間でもしばしば触れられる。私はTPPのことはよくわからないしどうでもいいと思っているが、最近いろんな人がそれについて語っているのを読む機会があって、思うところがあったので記しておく。

「重商主義」「比較優位」「分業」「開国」「自由貿易」「ブロック経済」・・・こんな言葉がキーワードである。TPPに反対しているのは「アメリカの言いなりにはならない」という考え、わかりやすくいうとサヨクの人々である。元サヨクの犬先生は自分がサヨクでないことをアピールしたくてたまらない人なので、いまだにサヨクの猿先生を叩くことでそれをおこなっている。

TPPに賛成している、というか、「反対している人を批判している」人々に見られる共通の姿勢は「こんなことは議論するまでもない当たり前のことだ」というものである。「自由に競争させれば均衡する」という、経済学者がいつも言う原理である。

私は経済学を知らないし興味もない。しかし今までの経験と見聞から判断するに、「自由競争」などというものはプラトンの言う「哲人政治」と同じような実現することなど到底あり得ない理想にすぎない。TPPにしたって、その加盟国同士だけでみれば自由貿易であるが参加しない国からみれば閉じた世界である。そして犬先生ですら、「中国が参加していないことが不安要素だ」というTPP反対論は検討に値すると言っている。

TPPに賛成するか反対するかの分かれ目は「比較優位」とかの経済学の知識を理解しているかどうかではなく、自由は理想だが完全な自由はありえないという現実を踏まえて、どういうくくりで暫定的な限定的な自由を実現するか、というそのくくり方で意見が衝突しているのである。

そして、ここからが私の言いたいことである。私の本領発揮である。TPPに日本が参加することはアメリカからの要請があるからだという前提で話す。その真偽は定かではないが、多分事実だろう。TPPの議論とは、「アメリカ論」なのである。

アメリカはなぜ「世界の警察」となっているのか。なぜソ連、キューバ、イラク、北朝鮮などに敵対してきたのか。なぜ日本を占領し、軍隊を駐留させているのか。アメリカは世界征服をたくらむ悪魔の帝国なのか?否。アメリカは神の国なのである。アメリカが闘い続けてきた相手はすべて閉じた国、自由に敵対する独裁者である。

アメリカは地球上で唯一の神の名の下に築かれた人口国家である。人口国家というのは共産主義国とアメリカしかない。日本とかその他の地理や民族上の都合でなんとなく発生した国とは全く別モノなのである。「アメリカ人」を絵に描くことは不可能である。白人も黒人も黄色人種もいるからである。

TPPに反対する猿先生は「国益」という言葉を使った。これこそアメリカの憎むものである。アメリカは自国の国益など求めていないのである。イラク戦争を起こしたのは原油利権のためなどでは絶対にない。

「アメリカは自由のために闘う神の国」というのがあまりに美化されすぎだというのなら、あくまでもわかりやすくするための仮定での話だが、「世界の国々のバランスを考慮して」という理由だと考えてもらってもいい。同盟とか連合というものの恩恵は、先ほども述べたようにその参加国だけが受けるのであり外れた国々は敵対する。理想は世界連合である。地球上のすべての国々が連合し、ひとつの国となり、「世界は一家人類は皆兄弟」となることである。それが理想であることは誰もが合意してくれるだろう(そして、それが到底不可能であることも)。

TPP参加の是非で議論している人たちは「国益」を理由に論じるから紛糾するのである。賛成するのも反対するのも、本当は国益のためなどではないのだ。「自由貿易にすると日本の農業が壊滅するなどと言われているがそんなことはなく結果として日本の為になる」などというのは嘘である。TPP参加は日本のためではない。参加国すべてのためである。そして恐れるべきことは参加しなかった国が被る不利益、そしてそれが鬱積することによる暴徒化である。

アメリカはそういう「暴徒化したハズレ者」にずっと手を焼いているのである。もうコリゴリなのである。