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2012年10月12日金曜日

お笑いブームの罪

最近職場で冗談を言う人が減った。
冗談でなくても、滑稽な動作とか、ちょっとしたミスとかで場が和むことがあった。
だが最近はめっきりそういうことが減ったように感じる。


具体的にと言われるとすぐに思いつかないが、くだらないダジャレとか、
たわいもない話をしていてある言葉を知らなくて「そんなことも知らないの?」とか、
「こんなバカな失敗をした」とか、くだらないことを自慢して「そんなこと自慢すんなよ(笑)」
とか、そういう事である。


そして私はそうなったのは、最近のお笑いブームのせいだと考えている。
その事は何度か主張してきた。
しかし、どうしてそうなのかを詳しく語ることはしてこなかった。
それは、たいしたことじゃないからというのと、時間や文字数の制限があるからだったが、
今はヒマで余裕があるので、自分でももやもやしたものを整理したいので、
ここに書いてみる。


お笑いブームとか、漫才ブームというようなものはいままでに何度かあったが、
現在ほどの大ブームは空前のものだと思う。
そして現在のブームが今までと違うのは、「お笑いがカッコイイ」という考えが出てきたことである。

人を笑わせるには技術がいるとか、この芸人にはそれがあってあの芸人にはないとか、
この笑いは邪道だとか、自分の好みじゃないとか、
お笑いを真剣に語るような風潮があらわれたのである。


本当なら、お笑いブームがおとずれたら人々のお笑いセンスは磨かれ向上して、
日常生活の冗談もくだらないダジャレでなくもっと知的で高等なギャグになるはずだった。
ところがそうはならず、むしろ人々は人を笑わせることに慎重になってしまった。

「こんなことを言ったらベタか」「サブいと言われてしまう」という恐れから、
ただの潤滑油や場をあたためるだけのものでしかなかった軽い冗談がうかつに言えなくなってしまった。

本当は、その手の「オヤジギャグ」は、ベタでサブいからこそ、おもしろかったのだ。
緊張していたり、退屈である場に、くだらないことを言う脳天気なバカがいるのを見て、
「こんなときにオマエは何を言ってんだよ」と人に思わせることでその場がなごんだのだ。

だが、現在のお笑いブームはお笑いを真剣に、点数をつけたり賞金獲得のために争わせてそれによって感動をもたらすようなものにまでなってしまった。
人を笑わせることが仕事と同じくらいの深刻な重いものになってしまった。

昔ながらのダジャレは若者が真顔で否定する。
オヤジギャグを駆使していたオヤジ達はうかつなことが言えなくなる。

かくして職場に冗談は途絶えた。

お笑いブームのせいで。